望月先生が教えてくださった童門冬二氏の『上杉鷹山の経営学』
これは読みやすい。
上杉鷹山といえばケネディ大統領が最も尊敬する日本人として名前を挙げた人。
(日本人記者団は、それが誰か知らなかったとのエピソードあり)
「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」
という言葉の方が有名かもしれません。
米沢藩を17歳の若さで引き継ぎ、見事に藩財政を立ち直らせたことで有名ですが、
なぜそれができたのか?
改革を妨げる壁は3つある。
①制度の壁
②物理的な壁
③心の壁
改革とはこの3つを壊すこと。
特に壊さなければならないのは、心の壁。
そのために
①情報は全て共有する
②職場での討論を活発にする
③その合意を尊重する
④現場を重視する
⑤城内に、愛と信頼の念を回復する
人材登用では「トラブルメーカーの方がイエスマンよりも
よほどパワーを持っている」と判断し、職場の問題児を登用した。
経営改革の目的は領民(おとくいさん)を富ませるためであり、
その方法展開は「愛と信頼」で行おうとした。
やる気のある者は、自分の胸に火をつけよ。
そして、身近な職場でその火を他に移せ。
これがなかなかできない…と普段感じていて。
職場に漂う「諦めとシラケ」
希望がなく心が死んでいる。
この希望を見せられるのは上に立つ人の役目。
北風と太陽の例ではないが、
優しさが人々に古い外套を脱がせる。それも自発的に。
外套を脱いで、身軽になった米沢藩の人々は、
士といわず町人といわず農民といわず、鷹山の改革に協力して勤しんだ。
改革に協力することが、自らも富むことに繋がっていたから。
そしてそれは富むだけでなく、他人を愛する心を復活させた。
鷹山が蘇らせたのは、米沢の死んだ山と河と土だけでなく、
人間の心に愛という心を蘇らせた。
愛と労りと思いやりの心。
いつの時代も本当に大事なのはここだよな。