10月号の致知より

「天に星 地に花 人に愛」

美しい言葉を見ると癒される。

作家の五木寛之さんの対談より。

フランクルさんの『夜と霧』をふまえて。

人生というのは不平等なもので、

もともと体の弱い人もいれば、強い人もいる。

ワクチンの接種だって副反応が強く出る人もいれば、ケロッとしている人もいる。

これはもう仕方のないことだと思います。

物の考え方だけで何でも克服できるとは僕は思いません。

オリンピックなんかを見ていても痛感するんですが、

努力が報われないこともやっぱりある。

『夜と霧』も、これさえ読めば誰もが未来を信じて厳しい生活に耐えていけるかというと、

なかなかそうも言い切れないのが人間の難しいところだと僕は思うんです。

日常の小さなことに喜びを見出して生きること。

強い信念とか、深い信仰とか、強建な肉体は確かに大事。

でもそれだけではなくて、むしろその反対の繊細な人間の生き方の中に

強くレジストする力がある。

夜空の星、地の花、そして縁ある人々、

こういった身の回りの環境に自分がどれほど支えられているかということを自覚すること。

そして、自分自身も周囲に何かを与えていける存在であること。

悲しみや辛さや不条理や納得のいかないことに満ちている社会の中で。

思いがけなく夜空に輝く星や、

地に咲く花の美しさ、

そして思いがけない人の優しさに触れる瞬間を持てるというのは、

本当に幸せなこと。

そこで得たささやかな幸せを胸に、愛を持って人に接すること。

どの記事もホッとする温かさに包まれます。

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