2018
04.08

歩合給の場合、割増賃金の支払いは必要か?

就業規則, 割増賃金

賃金は労働時間に応じて保障されている

労働基準法では、就業した以上は、例え成果が少なかったとしても、労働時間に応じて一定額の賃金の保障をすることを使用者に義務づけている。

これは、本人の能力にかかわりなく、仕事の繁閑によって賃金が左右され、また、労働者を過酷な重労働に追いやり、生活を不安定にすることを予防するための措置。

よって、歩合給であっても、割増賃金の支払いは必要だし、仮に歩合給の中に一定の残業代を含めて支払っている場合であっても、次の判例のように注意しなければならない場合がある。

「歩合給の額が・・・時間外労働及び深夜労働を行った場合においても増額されるものではなく、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分とを判別することもできないものであったことからして、この歩合給の支給によって、・・・労働基準法37条の規定する時間外及び深夜の割増賃金が支払われたとすることは困難というべきであり、・・・労働基準法37条及び労働基準法施行規則19条1項6号の規定に従って計算した額の割増賃金を支払う義務がある。」(高知県観光事件 最高裁 平成6.6.13 労判653号)

 

歩合給と割増賃金

つまり、通常の労働時間の賃金と割増賃金との区別がつかない以上、歩合給の支給により、割増賃金が支払われたことにはならないということ。

賃金の中の何時間分が時間外労働であり、「金額にしていくら分が時間外労働の割増賃金部分に当たるのか」を明確にする必要があるということ。

さらに、実際の労働時間により計算した各月の割増賃金相当額が、各月所定の歩合給に含む割増賃金相当額を超えていれば、差額を支給する必要がある。