2018
04.08

フレックスタイム制の労働時間の繰越とは?

就業規則, 労働時間

実労働時間に超過があった場合

実労働時間に超過があった場合、どのように精算するのか。

例えば、清算期間における総所定労働時間を、1ヶ月160時間と設定したとき、1ヶ月の実働が200時間で40時間過剰が生じた場合、その40時間の賃金は当月で支払わなければならないという労働基準法の規定がある。

つまり、実際の労働時間に過剰があった場合、あらかじめ定められた労働時間分は、その期間の賃金支払日に支払うが、それを超えて働いた時間分については次の清算期間中の総労働時間の一部に充当するという方法は、その清算期間内における労働の対価の一部がその期間の賃金支払日に支払われないことになり、労基法に違反する。

超過した勤務時間を翌月に繰り越して、翌月の所定労働時間を短くするという取り扱いはできない。

この例では、40時間(厳密には200時間-月法定労働時間)の時間外手当を支払って清算する必要がある。

 

総所定労働時間に不足があった場合

一方、総所定労働時間に不足があった場合は、不足時間分を次の清算期間中の総所定労働時間に上積みして労働させることは、法定労働時間の総枠の範囲内である限り、労働基準法第24条に違反するものではないとされている。

これは、前の清算期間内において、実労働時間に対する賃金より多く支払い、次の清算期間でその分の賃金の過払分を清算するものと考えられるから。

上記の例で言えば、仮に1ヶ月の実労働時間が150時間で10時間不足した場合は、10時間分の賃金控除を行えば清算は終了し、繰り越しの問題は生じないが、賃金を控除せず、10時間分を翌月に上乗せ(翌月は160時間+10時間=170時間)することは労働基準法の規定に違反しないので可能ということになる。

しかし、清算期間における総所定労働時間が170時間であった場合は、10時間を繰り越すことにより180時間となるので、180時間のうち、法定労働時間(週40時間が適用される事業場の30日の月で171.4時間)を超える時間の8.6時間分は法定時間外労働となり、割増賃金(割増部分のみ)の支払義務があるため、注意が必要。